• 輿石信男

中国人の商魂のたくましさ・滑稽さ

 

上海に旅行で来た人ならば必ず行くのが電波塔のある外灘エリアであろう。そのエリアの少し外れの金融街に新しくできた大きなショッピングモールで、面白いものを発見した。まさにこれぞ中国というものだ。何かと言うと、日本人の多くが使っているアプリであるLINEのキャラクターグッズである。ここまで言って笑っていただいた方は中国のことをよくご存知の方だろう。最近、国家ぐるみのサイバーテロなどの報道では必ず中国が話題になる。そして自国では、国がネット上に万里の長城を構築して、海外の情報が簡単に入ってこないようにバリアを張っている。だから、グーグルやYoutube、FACEBOOKやTWITTER、WHATSUPや日本のLINEなどの外国のアプリやSNSはブロックをされていて使えなくなっている。もちろん、VPNを使えば見れるわけだが、一般の中国人はわざわざお金を払ってそういうことはしないし、中国人向けの同様の機能のソフトが全部あるので必要ない。そこまで散々外国のネットを遮断をしておいて、なぜブロックしているLINEスタンプのキャラクター商品だけを販売するのか、理解に苦しむ。日本で留学や仕事をしたことがある中国人はもちろんLINEを知っているし、使っている人もいるが、それは中国人全体から見ればごくわずかである。だから、その人向けに売っているわけではなく、おそらく留学経験のある経営者がこのキャラクターが可愛いと思ったらから、LINEを知らなくても売れるだろうと踏んでやったんだろうが、ちゃんとライセンスフィーを払っているのかどうかも不明である。LINE社としても、まさかLINEが使えない中国で、キャラクターグッズが売られているとは思わないだろう。

 まさにこれが、誰もやっていないこと、ちょっとでも面白い、可愛いと思ったものは「とりあえず採算は考えずに事業としてやってみる」中国人らしさと言える。当然、失敗も多いわけだが、ベンチャー投資と一緒でいくつか投資をした中で一つ当たれば全てが回収できると思っている。人口が多く、アグレッシブな性格で、競争が激しい中国においてはゆっくり考えていれば、必ず他の人が先にやってしまう。考える前に「まずやってみる」というのが商魂たくましい中国人流儀である。日本企業は中国市場ではそのような人たちと闘うということを肝に銘じる必要がある。

 それにしても、たまにこのように中国人のアグレッシブさは滑稽に見えることもあるが、当の中国人は他人の目など一切気にしない・・・

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